どうも、ワイヤードも好きだけど、
やっぱりワイヤレスも好きな
かずのこ(@KAZUNOKO_tech) です。
みなさんはイヤホンやヘッドホンでワイヤレスで
音楽を聴く時に
Bluetooth®のコーデックって気にしたことありますか?
オーディオ好きやガジェット好きな方からしたら当たり前かもしれませんが、
意外に知らないで日々、Bluetooth®で聴いている方もいるのではないでしょうか?
今日はそんな方に
Bluetooth®コーデックとは何かを伝えたいと思います♪
Bluetooth®(ブルートゥース)とは?
ワイヤレスが一般的になった今、
Bluetooth®という言葉はかなり浸透致しました。
Bluetooth®とは数m~数十mの範囲で機器間を電波を使いやりとりする技術で、
今まで有線で繋いでいたマウスやキーボード、
イヤホンやヘッドホンなどをワイヤレスで使用する際に主に使用されています。
発信元と受信元でペアリングという機器同士の認識作業を
行うことで使用することが出来るようになります。
Bluetooth®(ブルートゥース)の由来
直訳して「青い歯」…
意味がわからないし、
なぜこんな名前なんだろうか…
今でこそ耳に馴染んでますが、
よく考えてみるとワイヤレス通信技術からは想像もつかない名前ですよね…
実はこれ今から1000年以上前の958年に
デンマークとノルウェーを交渉で平和的に統一した
ハーラル1世ゴームソンにちなんでつけられています。
諸説理由はありますが、
彼の歯には神経がない死歯があり、
それが青黒い灰色だったので「青歯王」と呼ばれておりました。
1994年にエリクソン社のプロジェクトの際、
「PCと携帯電話業界を近距離無線リンクで統一する※」
という製作者の想いから
上記の平和的統一を実現した「青歯王」にあやかって
Bluetooth®と仮で名前がつけられました。
※「乱立する無線通信規格を統合したい」という説もあり
本来はリリース用に正式な名前をつける予定でしたが、
商標の関係などで間に合わなく、
結局仮のBluetooth®のまま発表することとなり、現在に至ります。
今ではワイヤレスといえば真っ先にBluetooth®という言葉が出るほどになったから、
「青歯王」に込めた想いも叶った感じがするね!!
コーデックについて
さて、Bluetooth®通信を用いて
ヘッドホンやイヤホン、スピーカーなどで音楽を聴く場合は、
その音楽データを送信元から受信元へ圧縮して送られます。
その圧縮する方式のことをコーデックと言い、
このコーデックによって音質や遅延具合などが変わってきます。
細かく言うと現在10種類ほどあるのですが、
その中でも主な7種類をご紹介致します。
SBC (sub band codec)
Bluetooth®の標準コーデックと呼べるもの。
ワイヤレスである全てのヘッドホン、イヤホン、スピーカーはこのコーデックには対応しています。
ですが遅延が多く、圧縮率も高いため、高音域を消してしまい音質もそれほど良くはありません。
しかし、昔は音が悪いと言われてましたが、
最近は技術の進歩もあり、
聴いていて音質が悪いと感じるほどではありません、
あくまで標準的な音質です。
サンプリング周波数と量子化ビット数は
48kHz / 16bit(高ければ高い方が高音質です。)
ビットレートは192kbps
(高ければ高い方が高音質です。)
遅延は220ms(±50ms)
(低ければ低いほど遅延がないです。)になります。
AAC (Advanced Audio Coding)
Apple社が主に採用しているコーデック。
iPhoneもiPadなどiOSではこのコーデックが
最高となり、これ以上には対応していません。
※macOSはaptXまで対応しています。
前述のSBCと変わらない圧縮率ですが、
低遅延かつ高音域を消さないため、高音質になっており、
余程再生データが悪くない限り、
十分な音質であるといえます。
遅延も少ないので動画などを観ても
あまり遅れて聞こえるという感じにはならないと思います。
サンプリング周波数と量子化ビット数は
48kHz / 16bit
ビットレートは非公表ですが
256kbpsだと言われています。
遅延は
120ms(±30ms)になります。
aptX
Qualcomm(クアルコム)社(開発はCSR社)が
持つコーデック。
主に Andoroid製品を中心に使われています。
aptXには現在4種類あり、
aptX、aptX HD、aptX LL、aptX adaptiveがあります。
簡単に説明すると、
まずaptXは前述のSBCとAACが、人間が聞き取りづらい高音域をカットして圧縮しているのに対し、
aptXは全ての音域を圧縮しています。
そのため、より元の音源に近い音での再生が可能となっています。
また遅延も少なく、AACよりもさらに
動画再生時に遅れを感じにくいコーデックとなっております。
Androidスマホに標準搭載のコーデックなので
Androidスマホならまず対応していると考えて問題ないです。
サンプリング周波数と量子化ビット数は
48kHz / 16bit
ビットレートは384kbps
遅延は70ms(±10ms)になります。
aptX HD
次にaptX HDですが、
こちらは先程のaptXの音質面をパワーアップさせたもので、
48KHz/24bitまでのハイレゾ音源にも対応しています。
ただその分、aptXに比べて遅延が増えており、
70ms→130msになっています。
とは言ってもAACと大体同じなので
そこまで大きく気になるものではないです。
サンプリング周波数と量子化ビット数は
48kHz / 24bit
ビットレートは576kbps
遅延は130msになります。
aptX LL
次はaptX LLです。
こちらはaptXと同等の音質ながら遅延40msという
Bluetooth®の中でも最高の低遅延を実現しています。
動画や音ゲーなんかにもおすすめのコー
デックです。
ちなみに名前に付いてるLLの意味は
「Low Latencry(低遅延)」の頭文字のLLです。
サンプリング周波数と量子化ビット数は
48kHz / 16bit
ビットレートは352kbps
遅延は40msになります。
aptX adaptive
aptXシリーズ最後はaptX adaptiveです。
こちらは通信状況やデータ量などに応じて
可変するコーデックです。
サンプリング周波数と量子化ビット数が
最大96kHz / 24bitとハイレゾ対応。
ビットレートが260Kbps~640Kbpsで可変。
遅延も50ms~80msで可変。
高音質でありながら低遅延でもあるという
非常に優れたコーデックです。
ですが対応機種が現状そこまで多くないのが
ネックかもしれません。
LDAC
最後はSONYが開発した高音質コーデックです。
サンプリング周波数と量子化ビット数が
最大96kHz / 24bitとハイレゾ対応
ビットレートが
990kbps 660kbps 330kbps3種類。
と数値的にはビットレートがaptX adaptiveを
上回る超高音質コーデックとなっています。
ただ最高ビットレート時(990Kbps)の遅延が
1000msにもなってしまい、かなり遅延して聞こえます…
普通に動画見るのにも支障が出るほどなので、
LDACは純粋に音楽のみを楽しむコーデックと考えて良いでしょう。
ちなみに読み方はエルダックと読みます。
さいごに
コーデック名 | サンプリング周波数 | 量子化ビット数 | ビットレート | 遅延 |
---|---|---|---|---|
SBC (sub band codec) | 48kHz | 16bit | 192kbps | 220ms(±50ms) |
AAC (Advanced Audio Coding) | 48kHz | 16bit | 非公表(推定256kbps) | 120ms(±30ms) |
aptX | 48kHz | 16bit | 384kbps | 70ms(±10ms) |
aptX HD | 48kHz | 24bit | 576kbps | 130ms |
aptX LL | 48kHz | 16bit | 352kbps | 40ms |
aptX adaptive | 96kHz | 24bit | 260Kbps~640Kbps | 50ms~80ms |
LDAC | 96kHz | 24bit | 990kbps 660kbps 330kbps | 1000ms |
Bluetooth®対応コーデックいかがでしたでしょうか。
もし普段何気なしに聴いていたとしたら
確認してみるのも面白いかも知れません。
ちなみにBluetooth®対応コーデックは
送信元と受信元が
どちらもそのコーデックに対応していないと
下位互換されたコーデックでの再生となってしまいます。
例えば、
対応コーデックがSBC,AACのスマホやDAPに
SBC ,AAC,LDAC対応のワイヤレスヘッドホンで接続しても
LDACで再生することは出来ず、AACでの再生となります。逆も然りです。
購入するときはその点も気をつけて購入しましょう。
Bluetooth®の技術の進歩でワイヤレス環境はかなりの高音質、低遅延になった!!
だけどワイヤード(有線)に比べるとまだどうしても劣ってる部分も多い…
いつかワイヤードと同等、はたまたそれ以上になる技術が生まれることを
密かに楽しみに僕はしてるよ〜!!
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